カニの記録 58

 

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バイト中に指の関節らへんが痛くなり、若干背中もゾクゾク、風邪かもなと身構える。もし今晩熱が出たとして、何日かその熱が続いたとして、数日バイト休んだとして、今月どのくらい収入が減るだろう、自分の体調だけが頼りの綱渡みたいな生活をしてるんだなと改めて感じる。毎日寝る前に焼酎飲んでるけど、今日は飲まずに布団に入ろう、でも酒なしで寝れるんかしら、とくに風邪の引き始めって寝付きが悪なるし、今日はもしかしたら寝られへんかもよ、ああ、やだな、寝られへんあの感じ、でもまあとりあえず布団に入って横になるだけでも体は休まるし、結局最後は思い込み、俺は寝れる奴や、なんやかんや言うて最後はハッピーエンドや、と云う感じで布団に入り数分で寝入ったようで、朝8時に目が覚めた時には節々の痛みもなく、毎朝のラジオ体操第一の効果かなと思いながら、また今日もラジオ体操第一。

 

 

バイト先の元町映画館で「94歳のゲイ」と云うドキュメンタリー映画を見る。マラソンの有森選手の旦那さんが「私はゲイです」とテレビの記者会見で云うてたのは私が大学の頃で、有森選手はたぶん横で泣いてたような記憶。涙の理由、当時の私はテレビでそれを見て、茶化すようによくガブのモノマネをしていた。四半世紀前くらいのあの時代、テレビで自分のセクシャリティをカミングアウトするんは相当勇気ある思うけど、事情は詳しく知らない。映画は西成に住む94歳のゲイのお爺さんの生涯をなぞりつつ、社会で同性愛者の人らがどんな風に扱われて来たか、そうゆう真面目な感じのシーンもあったけど、お爺さんの恋心みたいなんが今もずっと続いてるんが結構嬉しいというか面白いなと思った。わりと死ぬ間際まで人は恋をするんだろうか。途中ホモ風俗みたいなんが一瞬紹介されるシーンがあって、長屋の2階みたいな狭い和室に老けて腹の出っ張ったおっさん4人くらいが白褌で犇めきあってるのが面白かった。人のセックスを笑うなと言うけれど、生き物が性に向かう必死さ、尊いもんなんやろけど、人間のユーモラスもそこにある、だから笑ってしまう、だって面白いもん。いとおかし、ってそうゆうことな気がします。映画の中で何度か「ロールモデル」て言う言葉が出てきて、まあ良い悪いは別にして生き方の手本みたいなことやと思うけど、ゲイのお爺さんが幸せに生きることが、誰かの希望になるみたいな、そんなんが語られるシーンが印象的でした。私にもロールモデルにしてるおっさんが身近に居まして、神戸の名村さんいう人なんですが、家族から見放されたおっさんていうジャンルで私の前を歩いてはる方で、名村さんが楽しそうであればきっと私だって大丈夫、そうゆう役割の人なんで健康で長生きしていただきたい。話変わるんですが、映画の中で取り上げられてたゲイ雑誌「薔薇族」の表紙絵は素晴らしく格好良かった。欲しいなと思ってメルカリで調べたら昔の表紙がイラストのやつはめっちゃ高かった。また貯金貯めて買おう。

 

 

何日か前の金曜日。コピー屋バイトのあとライブしに天満へ行く。道端に座って一服するが風がなくて埃っぽいとこだなと思う。20代の後半はこの辺でひたすら酒を呑んで寂しさを紛らしておった。でも飲めば飲むほど寂しくなるんですよね、実は。一度死ぬまで呑んだろうと考えて昼間から一人でガブガブやって、気が付いたら知り合いの家で寝て居たことがある。「94歳のゲイ」の最後らへんで、お爺さんは60代のハーフの男の人と知り合ってええ仲になるのだけど「元気でおって良かったわ」と言うてた。長生きしてたらエエこともある。

 

 

カニコーセン始めて2年目くらいのときやと思うけど「スナックパラダイス」というイベントに参加さしてもらったことがあって、まだその頃はチケットノルマを払ってライブハウスに出てたけど、その日はノルマなしで面白いイベントに出してもらえることが名誉やわと喜んだ。「スナックパラダイス」にホステス役で参加されてたのがモンゴール天山さん、トリでライブで締めてたのがペケキングテリーさん、お二人と対バンさしてもらうんもその日以来やので11年ぶりくらい。何年か前に千日前プロレス見に行った時もお二人はそれぞれの持ち場でめっちゃ活躍しておられた。

 

ほんで金曜日のライブ。自分はトップバッターで、あまり曲はやらずにいつもの会話劇みたいなんを30分やる。初めて見てくれる人も多かったのでやりやすくはあった。

 

 

ほんでモンゴール天山さん。スナックで働いたときの実話を演劇とカラオケに落とし込んで見事な展開30分。カラオケビデオは突っ込みどころもちゃんと用意され隅々まで面白さが詰まってた。スナックで色々酷い目にあったけど、最後は旦那さんとハッピーエンド、見てる誰もが笑顔になれる台本、最高。

 

 

トリはペケキングテリーさん。関空でバイト4個掛け持ちしてはるのを歌詞覚えるために3個に減らすと仰ってて共感。コロナ以降はオリジナルソングの活動をあまりされてなかったとのことで、でもパラダイスでやるからにはと桐島聡が潜伏してた現場まで足を運んできっちり1曲作って来られてました。ペケキングテリーさんの曲は現場レポートなんですが、代表曲の1つに広島のかめまんというビジネスホテルについての「アタシかめまん」という曲があって、その2番に朝食サーピスがコーヒーと水とコンソメスープで液体ばっかりという件があり、実際自分もいろんなとこのビジネスホテルに泊まる際、朝食サービスが液体ばっかりかどうか確かめる癖がついてしまった。