カニの記録 88

 

先日。天皇陛下が神戸に来てた。

 

 

カンプリのバイトの行きしな、箱根マラソンみたいな感じで道路脇に日の丸の小旗持った人が並んでて、天皇陛下来るん今日やったかと気付く。その一週間前くらいにも警察が練習みたいなんしてて、あちこちで通行止めしたり、やりたい放題やってた。そうゆうシーン見て、くだらんなぁ〜と思うわしみたいな奴もおるし、県警の皆さん朝からご苦労様です!て思う人もおるし、人ぞれぞれだと思う。一応は阪神大震災から30年いうことでの天皇という感じやけど、そうゆうのに乗じて国家権力のごっつさ見せつけるみたいなんあるなぁ、て思う。ヘリもごっつ飛んでた。作業服来た建築系のお兄ちゃんが警察にカッターナイフ没収されてるシーンもあった。お兄ちゃんも呆れて笑ってた。

 

 

メルカリで買った、いましろたかしのテメキング中古本が届く。封を開けるとタバコの匂いがプーンとした。本のカバーはタバコのヤニでまっ茶っ茶、蒲田の安いビジネスホテルの壁みたいな色していた。ページを捲るごとにタバコの匂いが噴出して、どんな状態で過ごした本なんだろうと色々想像する。いましろたかしの漫画の世界からいましろたかしの漫画が届いたような嬉しさがあった。

 

 

週末。今年初めてのライブさしてもらいに和歌山の紀伊田辺へバスで行く。最近は楽器積んでもヤイヤイ言われんくなって、バスの利用が増えた。乗り換えとかない分、電車より楽に過ごせるし、スマホの充電とかも出来るから助かる。

 

 

夕方、田辺着。大阪駅からバスで三時間くらい。入り時間まで1時間あるから、歩いて20分くらいのとこにある銭湯へ行っとく。

 

 

なんか緩いなぁ、と思いながら風呂に浸かってたけど、女湯の方から「これくらい緩いのがちょうどええわ」とおばあさんの声が聞こえてくる。ヒートショックとかありますし、あんまり熱すぎるのも体に悪かったりするかもですが、私は熱い方が好き。

 

湊川のプラージュで散髪してもろてるとき、ちょうど週刊誌の表紙がヒートショックで死んだ中山美穂やって、それ見た店員のおばちゃんが「歳行って病気で寝込んで死ぬより、酒飲んで風呂入って一瞬気分悪なって死ねたら結構ええやんな」と話していた。たしかにおばちゃんのいう通りだと思う。でも風呂場でうんこ漏らして白目剥いてる中山美穂を想像すると、ちょっと辛いなって気もする。

 

 

風呂には20分ほどしか入れんかったから、体はあんまり温まらんかった。急ぎめで駅前に戻り、会場のアコースティックライフに入る。よくライブさしてもらうお店だけど、ライブ版CD売りに来たんが前回で、去年は結局一度も来てない。曲順もあんまり決めてなかったので、ここ1〜2年であった出来事を話つつ、ライブすることにする。

 

 

前半後半40分づつくらいのつもりで演ったけど、結構喋ったのでかなり時間はオーバーしてたと思う。暖かく最後までライブ見守ってもらい、物販も用事で欠席してるお客さんの分まで買ってもらう。「もっとお客さんに感謝せなあかんで」的なことを身近な人からちょくちょく言われてたことを思い出したりする。普通に感謝してるつもりやし、手を抜いてライブすることもないし、何が足りないんだろうか。多分考えても分からないことだと思う、残念だけど。年明けてライブの出演依頼もちょこちょこもらえてる感じで、今まで通りそれにちゃんと応えていくのみです。

 

 

打ち上げでもお酒奢ってもらい、ゲストハウスに戻って気絶。寝るとき口に貼るガムテープを忘れて、久々に貼らずに寝たら夜中に何度か目が覚めた。夢の中で人から背中越しにすごい嫌なこと言われる。当たり前やけど夢は現実じゃない、だから自分で自分にすごい嫌なこと言うてるんやな、てことに落ち着いてまた寝る。朝風呂して11時にチェックアウトして外出ると、春みたいに暖かかった。

 

 

バスで大阪駅へ。ヨドバシカメラの辺とかすごい人だった。ユニクロで買った服をすぐ着たくて、店の通路で着替えてる子供が居た。わしも靴買ってすぐ履き替えて、履いてた靴をゴミ箱に捨てたことある、昔。

 

大阪駅から歩いて中津へ。貨物の線路がなくなったこの場所に何が出来るんだろうか。お店行く前にカレー屋で980円のカレーを食べる。レジでネパール人の店員さんに「アセ、スゴイデスネ」と微笑まれる。

 

 

夕方の早い時間からのライブやし、とくにこれといってライブの内容が更新されてる訳でもないし、なので客入りが非常に心配だったけど、満員になってよかった。12月のライブに来れなかった人がカレンダーもらいに来てくれたりもあったんやと思う。銭湯でいつもよく話す男の子2人組が見にきてくれていた。社会の波に乗るの、いろいろ大変そうにしてる2人だけれど、2人でいるときはいつも笑顔でええなぁと思う。

 

ライブはお客さんに送ってもらった写真見ながら曲作るみたいなことしたり、結構危ない場面もあったけど楽しく終える。ちょつと勉強なったんが、他人の危なかしい、恥ずかしい、そうゆう場面を見て自分も恥ずかしくなる、そうゆう現象を共感性羞恥て言うらしく、この日の私のライブはいつにも増して共感性羞恥なる場面が多かったみたいです、後でお客さんに聞いたところによると。自分でもやっててヤバイな、ゴメンな、とは思うてますし、私が逆の立場だったらこんなライブ怖くて見に来れない思いますが、何か頑張ってまうんですよね、あかん方向で。子供のころ、ものまね王座決定戦のしのざき美知見て気絶しそうなくらい恥ずかしなってたけど、自分が今そうゆうの人前でやってるん何なんやろ。怖いわ〜。

 

 

ライブの内容はともかくだけれど、無事に2025年もライブ初めれたのがありがたい。もうちょっと色々作れるように、自分のことだけ頑張りたい、ていうか自分のことしか頑張れない。

 

 

次のライブ

 

2.6(木)『素描』

場所)梅田HARDRAIN

出演)さとうじゅん / つきもとしんや(guest:のむらひろし) / 塩崎友也 / カニコーセン

時間)OPEN18:30 / START19:00

料金)予約2000円 / 当日2500円(共に呑別)

 

◎予約はお店わしまで